私が、書いた小説です。
ジャックと政令帝国
気持ちが大切だって言うけど。
そんなこと言っても伝わらないよ。
ぼくは、普通の人間だ。
ただ正直でいたい。切ない時も、また嬉しいときも。
永遠って言葉もあるけど。
人を愛したくても自分からは愛せない時もある、勇気がないわけではない。
ただ切なくてやるせない気持ちだ。ぼくのことを人は脱落者と呼ぶ人もいるかも知れない。
そう呼ぶ人こそお前はどこから来て何処に帰っていくんだ。
ぼくは素直でいたい。
ムカつく野郎もいつかは、許したいだから、今はそっとしておいて欲しい。
それを言えただけでぼくは、幸せ者だ。強いて言うなら、これを永遠と呼ばせてほしい。
いや、永遠なんだよ。そうさ。永遠さ。
少年、ジャックとその親友ビッグはこの壮大な真実の物語の中で心の成長を成し遂げていくことだろう。
時には憎しみ合い。時には助け合うこと。許すこと。信じること、希望を持つこと。相手のことを愛おしく思うこと。絶望から立ち直ること。人を励ますこと。
そして、これらの話は、ジャックとビッグの政令帝国での勇敢な物語の始まりである。
政令帝国では帝国民達は皆、声を合わせていつも言っていた。「税金、高過ぎだよ。しかも王は食事のうつわは、金の物を使っているらしいぜ。」
その王は町の集会場で演説するときは、あたかも善人のように振る舞い、自分の屋敷のなかでは病気になった使用人などを看病もせず、また新しい使用人を雇うとその妻を強引に自分の側女そばめにし、強欲そのものであった。
そんなある日、集会場で演説している時、見ているだけでうっとりしてしまう女性が前の方で演説を聞き入っていた。王は演説を早い所終わらせその女性を屋敷に招待した。女性は「私はナシアと言います。」と王に告げた。王はナシアがいつも笑顔で目が輝いているので気にいった。しかもナシアはラテン語の教師だった。王もラテン語が得意なので話が弾み楽しいひと時となり、王にとっては良い、時間であった。
ところで、ジャックとビッグはこのわがままで独裁的な政令帝国をのどかな国に変えたいと切に願っていた。
ビッグは、「あんな王は抹殺してしまえばいいんだよ。」ジャックは、「それはいくらなんでもまずいでしょう。」
「じゃあどうすればいいんだよ。」とビッグが言った。
「考えがある、付いてきてビッグ。」
「この先に地下道があるんだ。」
「何でそんなこと知っているんだ。」
「ぼくが小さい時に、ひいおじいさんが教えてくれたんだ。」
「なんでも隣の大陸、いわゆる『外国』に行けるらしい。」
「このことは政令帝国の奴らは知らないのだ。」
「ジャック、こんな帝国の独裁下で皆が苦しんでいるのに外国に行ってどうするんだよ。」
「わかってないなぁービッグ!ウチらのこの実力でどうやって政令帝国に殴り込めるんだよ。外国に行けば武器とかも手には入るだろうし、ひょっとしたら仲間と出会うかもしれないじゃないか…」
「俺様ビッグは、素手でどんな奴もイチコロさー。」
「ジャックは言った。ビッグは1人で政令帝国の王の屋敷まで行ったらいい。」
「ぼくは、外国に行って武器、防具そして仲間を作って帰って来るから。」
「ジャック!俺に喧嘩売っているのか?」
「喧嘩売っているのはビッグの方じゃないか。」
「ビッグ、今のうちらの実力では政令帝国には歯が立たないよ。まずは、地下道に行けばおそらく魔物が出てくるから強い魔物を倒しもっとうちらは強くなれる。そして隣の大陸に着けばもっともっと強い魔物が出てくると予想がつく。わかってくれビッグそれ以上は話さなくても分かるだろう?」
「分かったごめん。ジャック、オマエの言うとおりにする。仲間とやらと会うのも楽しみだろうしなぁー。」
「ジャックは言った。じゃあ今日はゆっくり休んで明日の朝に外国に出発でいいだろ?ビッグ」
「わかった。ジャック明日の朝出発だ!」
次の日2人とも目が覚めた。ジャックは内心、不安に支配されていた。本当のことを言えばもっと寝ていたかった。
「ジャックどうしたんだ?」「おい。ジャック。」
「ビッグ、政令帝国の独裁国家そして民主主義国家」
「民主主義国家そして平和。」
「そんなの無理なんじゃないか?と考えてしまっている…」
ビッグは、ハッキリ言った。「昨日まで偉そうなこと言っていたくせに、何怖気付いてんだよ。」
「そうじゃなくて無理だよ。イメージすらわかない。」
ビッグは言った。「しょうがないなぁー。俺が一人で外国とやらの所に行って来てやる。武器、防具そして仲間を連れて帰って来るから。地下道の地図はジャックは持っているのか?」
ジャックは言った。「小さい時に、ひいおじいさんがぼくのノートに書き記してくれたんだ。これがそのノートだ。」「ジャック!そのノート借りて行くぜ。」「わかった。汚さないでくれよ。」
ジャックはビッグに地下道の地図が書かれたノートを渡した。「ジャック!外国で出会った仲間がきっと素晴らしいアイデアの持ち主でいいビジョンを俺たちに分けてくれるさ!ジャックはとりあえず休んでいるといいよ。」「悪い。ビッグ。」「ジャック!俺は、出発するからな。」ジャックは家に戻ることにした。一方ビッグは早速ノートを見ながら地下道に向かった。
ビッグは茂みに隠れた地下道の入り口を見つけた。地下道の中は薄暗くノートを見るのがやっとだった。魔物らしき物もいたが小さい魔物でビッグにとって倒すのは楽勝だった。宝箱があった。開けてみたら手で回して発電する懐中電灯だった。この先は入り口付近から大分離れてきたから暗くなって来ていて懐中電灯は大いに役にたった。ノートを見ながら更に奥に進んで行った。
一方ジャックは、家に着きビッグに悪いことした。だけどビッグに希望を託そうと思った。
ビッグが強くなって武器、防具、そして仲間を携えて帰って来てからこの先のことは、考えれば いいことだと思った。今、不安がってもしょうがないと思った。
そんな中で政令帝国の王はとんでもないことを考えていた。「ナシア、政令帝国でラテン語を広めようと思っている是非手伝いをしてほしい。」と頼んだ。なぜならば、王は、ひそかにこの国でラテン語以外の言葉をしゃべる者達を圧殺しようと考えていた。ナシアは、「なぜラテン語を広めるの?」と王にたずねた。王は、「この国が繁栄するために、今後に外国人の移住者や観光客が来た時にお互い言葉が通じなかったら困るではないか、だろう?」「そうね。外国の方々の交流は大切よね。」とナシアが答えた。王は心の奥では、私のことを憎んでいる者達がラテン語を強要されたら反逆し歯向かって来るだろうと思ったし、もしそうなったら兵を用いて銃撃して殺してしまえばいいと考えていた。
王は心は真っ黒に悪に染まっていた。しかし本人がナシアの様に気に入ると表面は綺麗に保たせようと口実を作って会話をしていた。しかしナシアは、無垢で真面目そのものであった。
政令帝国の王がとんでもない計画を考えている時、ビッグは、ノートを見ながらとうとう外国の地にたどり着いた。
周りは大きな岩山がそびえ立ち目の前には、小さな泉ではあるが、透き通って冷たい水がちょろちょろと湧き出ている所があった。ビッグは今まで薄暗い地下道を通ってきて明るい所に出れてこれらの光景を見て、とても、わくわくした。そして喜びでみなぎってきた。あーあ、ジャックも一緒にこれれば良かったのになぁーと思った。ビッグは政令帝国から持ってきた水筒に泉の綺麗な水をくんで飲んだ。本当に冷たくてとても喉が潤った。
しかしビッグは不安がよぎった。あたりは自然そのもので街や城などは、どの方角をみても見当たらなかった。俺は何をしに来たんだ。一旦ジャックの元に戻るべきか?それとも此処にとどまるべきか?このままいると辺りは真っ暗になって何も見えなくなるのは当然だった。
しかし、ビッグは遠くの方に凄まじいほどの太い木をみつけた。そこまで行って、そして寄りかかってみた。そして疲れていたせいかいつの間にか寝てしまった。目が覚めて気が付いたらもう真っ暗になってしまっていた。ビッグは朝まで眠ることに決めた。朝、目が覚める前に夢を見た。大きな海辺に静かに波が寄って来てまた跳ね返ってまた寄って来てまた跳ね返っていく。それを何度も繰り返していた。
ビッグは目が覚めたが夢の続きを見ているかの様に思った。すぐ近くに海が見えた。はっきり見えた、夢ではない。疲れていたから幻覚でも見ているかと疑ったがまさに海だった。
すぐにビッグは海の所まで行き水平線の方まで見渡してみた。船でも通っていないか期待してみた。残念だが船は見当たらなかった。
しかし運良く海辺に長い丸太が打ち上げられていたのでビッグはいかだを作ることにした。さっきまでいた大きな木の所につるが張っていたのでそれを引っこ抜いて丸太と丸太を結び付けていかだをちょっと手間が掛かったが完成することができた。
ビッグはもう一度考えてみた。ここ外国に来たが街や城はない。海を見渡しても船も通っていない。なんとなくいかだを作ったが今は使い道がない。やっぱりジャックの所に戻るべきだとビッグは、そう思った。しかしこのいかだは、大切に保管しておこうと思った。政令帝国から今後出るときにこの地を経由して海からもっと遠い地にこのいかだで行けると思ったからだ。
そう決めるとビッグはジャックの所に戻ることにした。
ビッグはジャックのもとにもどると外国でのできごとをすべて話した。ジャックは、「そうかそれは残念だったね。」「ビッグ!こっちでは、王がラテン語を覚えるようにと帝国民達にナシアと言うラテン語の教師を派遣しナシアの他にもラテン語を得意とするもの持ち上げて帝国民達は、ラテン語を使って話せるような体制を強化するようになったんだ。ビッグは、言った。「なんで政令帝国は、急にそんなことを始めたんだ?」 ジャックは答えた。「教師のナシアが言うには、この国の繁栄と外国人の移住者と観光客のためだとか。」「俺は外国に行って来たが自然そのもので街も城もなんにもなかったけどやはりどこかに外国人達の街や城があるのだろうかね。ジャックのひいおじいさんも外国への地図を残したわけだからきっとそうなんだろう。」
ジャックとビッグはナシアの所まで行くことにした。
ナシアは、大勢の帝国民の前でラテン語を教えていた。ジャックとビッグは、ナシアの熱意を関心した。しかし帝国の王の目的は違っていることをナシアを含めて帝国民達は、気付いていなかった。そしてジャックとビッグもナシアからラテン語を学んだ。ジャックとビッグがラテン語を勉強をしていると、ジャックとビッグと同じ位の年齢の女の子がいた。ビッグはその子に外国に行ったことを片言のラテン語で話した。そしてジャックは行かなかったんだと話した。なんかジャックとビッグと女の子はくだらないことばかり話したが気付いたら仲良くなった。その女の子の名前はルミナだそうだ。ルミナとジャックとビッグはナシアからラテン語を教わった中では上達が早かった。
ナシアとのラテン語の勉強が終えた時にルミナがジャックとビッグに私の家まで遊びに来て欲しいと誘われた。2人は喜んで「是非、行かせて欲しい」とルミナにお願いをした。
3人でルミナの家に向かっている時ジャックが「政令帝国でラテン語を推奨するようになったのは、なぜだろう?」ルミナは、「立て前はこの国の繁栄と移住者と観光客のためだけど、私は違うと思う。」ジャックは言った。「ぼくも違うと思う」ビッグも「同じだと思うと答えた。」
ジャックは、「政令帝国の王は何かたくらんでいると思うね。」「色々な国の歴史では政令帝国の様な独裁国家では、あれをしてはいけない。これもしてはいけない。これをしなさい。と言って特栽者が規則を作り守らない者に刑罰を下してれくることが良くあるね。しかし政令帝国は現時点ではラテン語を推奨しているだけだけど。」
ルミナはジャックとビッグに言った「私もラテン語以外の言葉を禁じてくると思う。」「恐ろしいわ。」ビッグは言った「早いとこ王を暗殺した方がいい。」ルミナはちょっと焦りながら「もうすぐ家に着くから両親にもそのこと話したいわ。」そしてルミナは「ビッグ、ジャック、此処が私の家よ。」ジャックとビッグはルミナの家に入った。ルミナは「お父さん、お母さんこちらは、ジャックとビッグよ。政令帝国のラテン語の教師、ナシアとラテン語の勉強を一緒に勉強して仲良くなった、お友達よ。」ルミナの両親は「良く来てくれたね。ジャックとビッグと言うのね。ルミナと仲良くしてくれてありがとう。」ルミナは「今日、うちに帰ってくる間みんなと話していたのだけど、政令帝国がラテン語以外話すのを禁止して来るのではないか?と皆で話していたのだけどね。」「それは、どう言うこと?」「はっきり言うとラテン語以外の言葉を話すと法律にふれて刑罰を受けるってことよ。」ビッグは言った「やっぱり早いとこ抹殺するしかない、帝国の王を。」ジャックは「早いとこって言ってもまだラテン語の法令ができたわけでは、ないしね。だけど新しい法令ができる前になんらかの処置をしなくては…」ルミナの父は言った。「よし!私が今、ナシアを此処に頼んで来てもらうよ。彼女ならなんとかしてくれるかもしれない。待っててくれ。」ルミナの父は急いでナシアを呼びに出かけた。
「此処が、ルミナの家ね。」「狭い所ですが、申し分けない。」ナシアと父の声が皆の所まで聞こえてきた。皆は「ナシア助けて。ナシアがいないと解決できないよ。」と大声でナシアのことを出迎えた。ナシアはちょっと驚きながら、「どうしたの?皆、今日のラテン語のレッスンはどうだった?」ルミナは、答えた。「そうじゃなくて皆は、ラテン語以外は、法令でしゃべることが禁止になる。もし、ラテン語以外で話すと刑罰がかっせられるのではないかと心配しているのよ。」ナシアは、「私は この国が繁栄と外国人の移住者と観光客のために手伝ってくれないか?と王に頼まれたからラテン語を教えているのよ。ビッグは「それは、何度も聞いているけど、絶対にそれはあり得ない。ラテン語以外しゃべると殺される。絶対そうだ。」ルミネの父「私も同感だ。」ナシアは答えた、「私も不安になったわ、どうしよう。だけど今週の金曜日に王の講演会があるからそこで発表する可能性が大だわね。ビッグは言った「金曜の講演会に皆で武装して参加しようぜ。」
そして金曜日の朝がやってきた。予定通り政令帝国の王の講演会が始まった。
そして公演会の最後に皆の予想通りに、「王は言った明日の日の出と同時にラテン語以外の言葉を使う者は我軍と共に連行して刑罰を決行だ。」そして王は軍とともに消えていってしまった。
次の日にジャックとビッグ、ルミネはラテン語を使わず王の軍の所まで行った。
「ふざけるな。ラテン語以外を使うと刑罰だなんて誰が納得する。」「そうだ。ふざけな。」
軍たちは、”Loquere Latine, alioquin te comprehendam!”とラテン語で言ってきた。「ラテン語を話しなさい。さもないと、連行するぞ。」と言う意味である。皆は、腹が煮える気持ちになった。ジャック達は、仲間に応援を求めた。しかし、一度、自分達の町に戻りもっと大勢の人数で抗議をすることにした。
町に戻った一行は、王の軍にラテン語で話さないと連行すると警告されたことを町の住民達に話した。町に住む者は皆、憤りそして、立ち上がった。そして王の軍の所まで急いで行って抗議することとなった。
皆が軍の前にたどり着いた時、銃声が稲妻の様になり響いた。
残念なことに町の住民の何人かが、犠牲となった。
皆は悲しみと怒りが交互に銃声で聞こえた稲妻以上に爆発した。ジャック達は予想をはるかに超えた、帝国軍の行動を非難した。ルミナは、悲しみのあまり目から涙が溢れ真っ直ぐに歩くことが出来ないほどであった。
ジャックは「こんな事態になった時の為に、ひいおじいさんが武器を用意してくれていると、思うんだ。ぼくの家の倉は、小さい時から両親が開いては駄目だと言われて来たのだけど、今は開ける時だと思うのだよ。」皆は「そうだよ。今すぐ開けてみよう。」倉の門は錆びついていたけど、良く見てみると倉の上の方にも扉があり、そちらの方はすぐにでも開きそうだった。ビッグは「ジャック、俺のか肩の上に乗って肩車をすればいいさ。」ジャックは「わかった。」ジャックとビッグは、肩車をして扉をなんとか開けることが出来た。ジャックは「倉の中には残念だけど、武器は入ってないな。だけど、なんか地図みたいなものがたくさんある。」ルミナは「その地図を見てみる価値はあると思うわ。」ビッグは「それは何か宝の地図か何かなんじゃないかー。」ジャックは「片っ端から開いて見てみよう。」ビッグが言った「これ俺が行った外国の地図じゃないか。」「岩山に囲まれていて泉があって大きな大木がある、そして海がこれだよ。これ。」ジャックは「本当かい。」ビッグは驚きながら言った「この間、外国に行った時、海の水平線の向こうまでは見えなかったのだけど、この地図によるとさらに沖まで行くと島があるぞ。そして街と城も。」ルミナは「凄いじゃない。早速、皆で行きましょうよ。」
ジャックは、「外国の街と城に行けたら、まず仲間を作ってこちらの状況を話して応援に来てもらおうよ。」ビッグは「それと武器も。」ルミナは「そうしましょうよ。私達3人で早速、出かけましょう。」
ビッグの後に着いて3人で海のいかだの所まで、たどり着いた。
ジャック「凄いじゃないか。ビッグ、こんないかだを準備しておいてくれたんだね。」
ビッグは「まさかこんなに早くいかだが役に立つとは、思わなかったぜ。」3人は、いかだに乗り込んで、地図をみながら、まず街に向かった。
地図の通りにいかだ動かすと本当に街が見えてきた。
そして島に上陸すると街まで、そんなに距離はなかったので直ぐに到着できた。
街の中には、武器などを売っているお店が並んでいたのでジャックとビッグとルミナで亭主に話しかけた。「すみません。私達は、政令帝国から来た、帝国民です。」亭主は「良く遙々遠くからきてくれたのだね。それで、どうしたんだ?」ジャック達は、ラテン語以外の言葉を話すと法令で禁止されたことや、帝国軍に抗議をしたら銃殺されたことなどを説明した。亭主は、答えた。「そうか、それは悲惨なことが立て続けにあって本当に大変だったね。この街の直ぐ近の城に此処の国の王様と兵士達がいるから、あなた方がいる政令帝国まで大きな船があるから、武器と兵士達ですぐに応援に行くように王様に頼んであげるから安心しなさい。大丈夫だよ。」ジャック達は何度も何度もお礼を言った。「本当に有り難う御座います。」「本当に有り難う御座います。」亭主は、言った。「あなた方はちょっと休んでから帰れば良い。此処で食事をしなさい。長旅で疲れているだろうから。」ジャックは、ビッグとルミナに言った「仲間を作るって最初は自分達で言っていたけど、こんな状況になってしまったから、全部、任せることになってしまったね。」ルミナは「うん。かえって良かったね。感謝しないとね。」
亭主はすぐに城の王様まで使いを回し政令帝国まで大型船を派遣する手配を済ませた。政令帝国の軍をはるかに超える兵士を政令帝国まで向かわせた。
政令帝国では政令帝国の軍は、外国の兵士達に完全に包囲され、完全に敗北した。政令帝国の王は、兵士達の的とされ銃を向けられた。王は、ナシアを人質にし、ナシアを木にロープで縛り上げた。王は「俺に銃を向けてみろ、ナシアのことをこのナイフで切り殺すぞ。」
一瞬その場は静かになった。その瞬間ナシアは、王の髪の毛を引っ張り上げ、すかさず、ナイフを王から奪い取った。そしてナイフを王に向けた。それに加わって兵士達も王に銃を向けた。
王は、「命だけは、助けてくれ。」
兵士の一人が王に向けて銃を乱射した。ナシアが王の髪の毛を離し王のことを落下させた、そのため、王の命は、免れた。その場の緊張感は絶頂に達していた。
ナシアは、王に言った。「あなたは、命拾いをしたのだから、あなたの持ち物、全てを国民に返しなさい。そして国民のために今後の生涯を尽くすことを約束しなさい。もし、そうしないのなら、私は、あなたを見捨てる。
王はナシアに言われた通りに「どうか私のことを許して下さい。私の持ち物をすべて…」とその時、兵士が「ふざけるな」と同時に王に銃を乱射した。しかしナシアは王をかばい銃の玉はナシアの肩に当たり王の命は免れた。
ナシアは膳を尽くし全うしていた。王は、そんなナシアをみて自分はどれだけ汚い心で悪の道にそれた酷い人間だったと気付かされた。
これからは、自分の心を入れ替えようと心の奥から反省した。
そこに遅れてジャックとビッグとルミナが帰ってきた。ジャックとビッグは王に銃を向けた。しかしジャックとビッグの前にナシアが立ち、殺す必要はない。とジャックとビッグに告げた。
それから半年が経ち政令帝国は平和に満ちていた。
ジャックとビッグは学校に通うようになり勉学に励んだ。
ナシアは、政令帝国の相談役として国民から選ばれた。
そして王はナシアから愛情を感じ、恋におちていた。王はナシアのことを食事に誘った。そしてナシアにナシアはお付き合いしている人がいるのか訪ねた。ナシアは「私は付き合っている男性がいます。」と。答えた。「そうなのか。」と王は答えた。王は失恋をしてしまった。王は悲しかった。ぽっかり胸に穴が開いてしまった。心が苦しくなった。ナシアと食事の後、別れてから一人で泣いた。ベッドに潜り込んでこのまま夏が来てもそのまま寝ていたいと思った。
しかしジャックとビッグは王を心配し励ました。
王は今まで、わがままし放題の道を歩んできたが、心の傷を感じそして癒しの力を感じ、どれだけ国民にお礼を言ったら良いのかと思った。いままで政令帝国での独裁政治の何十年間が無駄な人生だったが、それと今の人生を比べてると考えさせられることが沢山あり、何日か良く眠れなかった。「皆に感謝しなくては…」
おしまい。
あとがき。
このジャックと政令帝国のストーリーの最初にも書かせて頂きましたが、私が言いたかったことは、「少年、ジャックとその親友ビッグはこの壮大な真実の物語の中で心の成長を成し遂げていくことだろう。
時には憎しみ合い。時には助け合うこと。許すこと。信じること、希望を持つこと。相手のことを愛おしく思うこと。絶望から立ち直ること。人を励ますこと。」です。ビッグの性格としては、「帝国の王を抹殺しよう。」と何度も繰り返して表現させて頂きました。その反面、ナシアは殺さずに許しました。その許す大切さを伝えたかったです。ジャック達、少年が希望を持って政令帝国の独裁国家から、平和な国家に変えることを信じました。ストーリーの中でラテン語以外の言葉を話すと法令で禁止されたことや、帝国軍に抗議をしたら銃殺されましたが、絶望や困難があっても、その不安から立ち直り次の手段を考えて行動することができました。結果として外国の兵、そしてナシアが立ち上がり平和を実現することができました。私の予想では、ただ単に物語の最初に、帝国の王を抹殺しただけでは、後継者が現れ、同じことの繰り返しになってしまうと思いました。帝国の王を許すことにより、平和な国の再建が実現できました。帝国の王が最後に失恋をしてしまいましたが、ジャックとビッグは王の気持ちを理解してあげる気持ちが励ますと言う行動になったのだと思います。
伊藤いとう 壮一そういち